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卒寿のお祝い金の相場はいくら?金額の目安と渡し方マナーを解説

この記事を書いた人
板羽 貴代
お祝いギフト工房 店長

名前入りプレゼント専門店「お祝いギフト工房」の店長です。 2002年からギフトの世界に携わっています。 これまで9万人以上の方のお祝いのお手伝いをさせていただきました。 喜ばれるお祝いに関してはどうぞお任せください。 悩まれたらお気軽にご相談ください! 050-3566-4118 LINEで問い合わせ

卒寿(そつじゅ)とは、90歳の長寿を祝うお祝いのことです。還暦(60歳)や古希(70歳)などと同じく、長寿のお祝いの一つとして位置づけられています。名称の由来は、漢字の「卒」の略字である「卆」が「九十」と分解できることにちなみ、「90歳」を意味するようになったと言われます。決して「人生を卒業する」という意味ではなく、むしろ「ここまで長生きできたことをお祝いする」という前向きな意味合いがあります。平安時代に中国から長寿を祝う風習が伝わりましたが、当時90歳まで生きる人は稀だったため卒寿を祝う習慣はほとんど無かったそうです。現代では医療も発達し長寿の方も増えたため、卒寿をお祝いする機会も多くなっています。

親が卒寿を迎えることは、子どもにとっても日頃の感謝を伝える絶好の機会です。長年家族を支えてくれた親に対し、改めて敬意と感謝の気持ちを込めてお祝いを贈りたいものです。その際によく用いられるのが「お祝い金」と呼ばれる現金の贈り物です。お祝い金は、「おめでとう」の気持ちを形にして贈る手段であり、受け取った側が好きなことに使える柔軟なプレゼントでもあります。現金であれば相手の好みに左右されず、「欲しいものがあればそれに充ててください」という気遣いの表れにもなります。

とはいえ、目上の方である親に現金を渡すことに抵抗を感じる人も少なくありません。高額な現金や商品券をそのまま贈ると、「これで好きなものを買いなさい」という施しのように捉えられ、上から目線な印象を与える場合があるとされています。現金は実用的で喜ばれる反面、味気なく感じたり、受け取る側が気を遣ってしまったりする可能性もあります。そのため、お祝い金の代わりに品物や体験ギフトを贈るケースも多く見られます。たとえば、子どもたちがお金を出し合って記念品旅行をプレゼントしたり、家族で食事会を開いてお祝いする方法です。現金以外のプレゼントであれば、より思い出に残る形で感謝の気持ちを伝えられるでしょう。また、88歳の米寿祝いからわずか2年後の節目でもあるため、卒寿祝いは比較的シンプルに済ませる家庭もあります。どのような形にせよ、大切なのは親が喜んでくれることです。現金を包むか記念品を贈るかは家族の考え方にもよりますので、ご本人の希望や負担にならない方法を第一に考えて決めると良いでしょう。

卒寿のお祝い金の相場

お祝い金の金額は悩みどころですが、一般的な卒寿祝いの相場は約3千円から5万円程度といわれます。幅が広いのは、贈る相手との関係性やお祝いの内容によって適切な金額が異なるためです。ここでは贈る人の立場別に、目安となる金額相場と決め方のポイントを解説します。ただし地域や家庭によって慣習が異なる場合もありますので、あくまで目安として捉えてください。また、兄弟姉妹でお祝いをする際は金額に差が出ないよう事前に相談して足並みを揃えることも大切です。

子どもから親への相場

親(父母)が卒寿を迎える場合、子どもから贈るお祝い金の相場は2万円~5万円程度が一般的です。平均的には3万円前後を包む人が多いようですが、同居か別居か、日頃の援助の有無など家庭の状況によって調整しましょう。たとえば普段から経済的に支援している場合は気持ち程度の額に留めたり、逆にこれまでの感謝を込めて少し高めの金額を贈るケースもあります。また、兄弟姉妹がいる場合は連名でまとめて渡す方法もおすすめです。皆でお金を出し合えば予算を増やせるので、例えば「兄弟一同」として合計10万円規模のプレゼントを贈ることも可能です。その場合、マッサージ機や高級ソファーのような高価な家具家電を贈ったり、家族全員での旅行や食事会に充てたりと、より豪華なお祝いも実現できるでしょう。

金額を設定する際に一つ注意したいのは、縁起の悪い数字を避けることです。日本では「4」は「死」、「9」は「苦」を連想させるため忌み数とされています。そのため、お祝い金の額が4万円や9万円といったキリの良い数字になる場合は、1万円加減して5万円や10万円にするなど工夫すると安心です。せっかくのお祝いですから、できるだけ演技の良い奇数や末広がりの数字になるよう意識してみましょう。たとえば「3万円」や「5万円」は問題ありませんし、「8」という数字も末広がりで縁起が良いとされます。

孫から祖父母への相場

お孫さんから祖父母へ卒寿祝いを贈る場合、5千円~3万円程度が一つの目安です。社会人の孫からであれば1~2万円前後、学生の孫であれば数千円~1万円など、無理のない金額設定で構いません。大切なのは金額の多少よりも気持ちを伝えることですので、孫が一生懸命貯めたお小遣いやアルバイト代から包む数千円でも、祖父母にとっては十分に嬉しい贈り物です。逆に高額を包みすぎると、「こんなに貰えないよ」と相手が恐縮してしまうこともありますので、負担にならない範囲で気持ちを表しましょう。なお、小さなお孫さんの場合は無理に現金を用意せず、手作りのメッセージカードや似顔絵といった形でお祝いの気持ちを伝える方法も喜ばれます。

兄弟姉妹・親戚からのお祝い金

兄弟姉妹や親戚が卒寿のお祝い金を贈る場合は、5千円~1万円程度が一般的な相場です。たとえば甥・姪がおじいちゃんおばあちゃんに贈る、あるいは遠縁の親族が贈るといった場合には、気持ちばかりの少額のお祝い金かプレゼントをお渡しすることが多いようです。関係性がそれほど濃くない相手に高額なお祝いを渡すと、かえってお返しに困らせてしまったり気を遣わせたりする恐れがあります。親族同士で複数人がお祝い金を贈る際は金額のバラつきが大きいと相手も戸惑いますので、事前に相談して大まかな額を揃えておくと安心です。たとえば親戚一同で1万円ずつ包む、といった具合に足並みを合わせる配慮も大切です。

友人・知人からのお祝い金

友人や知人が長寿のお祝いをする場合、現金を包むこと自体あまり多くはありませんが、贈る場合は3千円~5千円程度の少額に留めるのが一般的です。親しい友人であれば、現金よりもちょっとしたプレゼントお花を贈るケースの方が多いでしょう。たとえばお祝いの席に招かれた場合に紅白饅頭やお酒を持参する程度で、「おめでとう」の気持ちを伝える十分な手土産になります。あまり高価なものを贈ると受け取った側も恐縮してしまいますので、友人知人としてお祝いする際は相手に気を遣わせない範囲でお祝いの気持ちを示すことがポイントです。

お祝い金とプレゼントのバランス

卒寿のお祝いでは、「お祝い金+プレゼント」「お祝い金のみ」「プレゼントのみ」など様々なパターンがあります。現金と品物を組み合わせる場合は、トータルの予算内でバランスを考えましょう。たとえば総額5万円を予定しているなら、現金3万円+プレゼント2万円相当、といった具合です。反対に、旅行や食事会など大きなイベントを計画している場合は現金は包まない選択もあります。その代わり、旅行費用や食事代を全額子ども世代が負担することで立派なお祝いになります。兄弟姉妹で費用を分担すれば、一人ひとりの負担も軽減できます。要は総予算の中で何に重きを置くかです。記念品を贈りたいのか、ご両親に好きなものを買ってほしいのか、思い出を作りたいのか──家族で話し合いながら決めると良いでしょう。また、ご本人の性格によっても最適解は変わります。現金を受け取ることに気が進まない親御さんであれば品物中心にする、逆に物は増やしたくない主義であれば現金や商品券にする、といった配慮も大切です。家族の意向に合わせて柔軟に検討してください。

お祝い金の渡し方マナー

お祝い金を用意したら、次は渡し方のマナーにも気を配りましょう。せっかく心を込めたお祝いですから、正しいマナーで渡すことでより丁寧な気持ちを伝えることができます。ここでは、ご祝儀袋の選び方からお金の包み方、渡すタイミングや伝え方のポイントまで解説します。

ご祝儀袋の選び方(デザイン・水引・表書き)

卒寿祝い用のご祝儀袋は、紅白もしくは金銀の水引が付いた祝儀袋(のし袋)を使用します。水引は蝶結び(花結び)のものを選びましょう。蝶結びは何度でも結び直せることから、「喜び事が繰り返し訪れるように」との願いを込めて、長寿祝いなど繰り返しあっても良いお祝い事に用いられます。のし(熨斗)も付いた華やかなデザインのものを選び、不祝儀袋(葬儀用の黒白の袋)と間違えないよう注意しましょう​。市販の長寿祝い用の祝儀袋には、紫色や金色の寿の字、鶴亀などおめでたいモチーフがあしらわれたものもあります。卒寿のテーマカラーは紫とされますが​、必ずしも袋自体が紫色である必要はありません。紅白の水引で慶事用と分かるものであれば問題なく使用できます。

ご祝儀袋の表書き(袋表面に記入する言葉)には、長寿祝いの場合その年齢の名称を入れるのが一般的です。「祝卒寿」「卒寿御祝」、**「御卒寿御祝」**などと書くのが最も一般的でしょう​。4文字を忌避する習慣を気にする場合は「卒寿御祝」のように4文字ではなく5文字にする配慮(例:「卒寿御祝」ではなく「卒寿之御祝」とする)をしても構いません​。表書きの下段には贈り主の姓名を書きます。今回は子どもから親へのお祝いですので、贈り主はあなた(たち)自身です。兄弟姉妹で連名にする場合は、中央に長男など一番目上の人の名前、その左に次の人の名前…という順で並べます。名字が同じ家族であれば、二人連名の場合は二人目は名前だけでも構いません。書く際は毛筆もしくは筆ペンを用い、濃い墨で丁寧に書きましょう​(薄墨は弔事用です)。最近では表書きが印刷済みの祝儀袋も市販されていますので、毛筆に自信がない場合はそれらを活用すると良いでしょう。

お金の包み方(新札の使用・折り方・入れ方)

ご祝儀袋に入れるお金は、必ず新札(新しいお札)を用意します。新品同様のピン札は、「この日を心待ちにして準備していました」という気持ちを示すものです。事前に銀行で新札と交換するか、手元に綺麗なお札がなければアイロンをかけてシワを伸ばすなどして準備しましょう。ただしピン札が用意できなかった場合でも、汚れたり破れたりしたお札は避けるようにします。可能な限り折り目のない綺麗なお札を包むのがマナーです。

多くのご祝儀袋には中袋(内袋)が付属しています。中袋がある場合は、まず中袋にお金を入れてからそれを外側の祝儀袋(袱紗〈ふくさ〉)に包みます。中袋の表面には金額(※旧字体の漢数字で「金壱萬円」など)を、裏面には贈り主の住所氏名を記入する欄が設けられていることがあります。長寿祝いの場合、家族で同居しているなら住所は省略して構いません​。金額は書いても書かなくても構いませんが、書く場合は「壱、弐、参、伍、拾、百、阡、萬」などの旧字体を用いるのが正式です。例えば30,000円なら「金参萬円」、50,000円なら「金伍萬円」といった具合です。

お札の入れ方にも決まりがあります。中袋にお札を入れる際は、お札の人物の肖像が表面を向き、かつ上側になるように入れます。具体的には、中袋の表面(「金〇円」と書く面)を自分に向け、その面に肖像の表が合うようお札を重ね、人物の頭が上部(開封口側)にくる向きに置きます。こうすることで、相手が中袋を開けたときにお札の表が正しく読める状態となります。誤って逆さまに入れたりしないよう注意しましょう。また、複数のお札を入れる場合は向きを揃え、できれば人物の頭の位置を揃えて重ねると見栄えが良くなります。

中袋の封は、通常はのり付けしなくてもOKです。結婚式のご祝儀などでも、中身確認のために封をしないのが一般的です。ただし中袋自体を入れる外側の祝儀袋(飾り袋)は水引で閉じられるため、特にシールなどで留める必要はありません。万一、中袋が入っておらず直接お札を包むタイプの祝儀袋の場合も、基本的には封をしなくて構いません。どうしても封をしたい場合は、付属のシール(「寿」などと印刷されたものが入っている場合があります)を使うか、目立たない糊で軽く留める程度にしましょう。

最後に、祝儀袋は購入時の状態ではそのまま手渡しせず、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが正式なマナーです。袱紗は紫色など慶弔両用のものが1枚あると便利です。渡す直前に袱紗から祝儀袋を取り出し、袱紗は畳んで手元に持ったまま祝儀袋を相手に差し出しましょう。

お祝い金を渡すタイミングとスマートな渡し方

お祝い金を手渡すタイミングにも気を配りましょう。一般的には、お祝いの席(食事会や誕生日パーティーなど)の中で手渡すことが多いです。たとえば家族で食事会を開く場合、乾杯や食事の後、落ち着いたタイミングで「改めておめでとう」と声をかけながら渡すと良いでしょう。宴席の最中よりも、終了間際やお開き前に手渡す方がスマートです。他の招待客がいる場合は、あまり人前で大げさに現金を渡すと周囲に気を遣わせてしまうこともあります。そのため、ご本人とごく身近な家族だけの場面で静かに手渡しするのがおすすめです。

具体的には、「お父さん、改めて卒寿おめでとう。今日は本当におめでたい日ですね。」といった声掛けをしながら、準備した祝儀袋を差し出します。渡す際は相手の正面に回り、両手で丁寧に渡しましょう。テーブル越しに片手で渡すのはマナー違反です。直接手渡すのが難しい状況なら、相手の手元にそっと置き「こちら、お祝いです。受け取ってください」と一言添えると良いでしょう。笑顔で渡すことも忘れずに。

目上の方へ渡す際の注意点として、相手に過度な気遣いをさせないことが挙げられます。親御さんによっては「子どもからお金なんて受け取れない」と遠慮される場合もあります。そのような時は「今日は本当におめでたい日だから」「皆で相談して用意したから受け取って」など、遠慮はいらない旨を優しく伝えると安心してもらえるでしょう。また、「ほんの気持ちですので」「ずっと元気でいてくださいね」など、感謝と相手を思う気持ちを言葉に添えることも大切です。逆に高額すぎるお祝いは相手に負担を感じさせるため、迷ったら適度な金額に抑えるのが無難です。お祝い金は多ければ良いというものではなく、心のこもった適切な額が相手にとっても一番嬉しいものです。

最後に、お祝い金を渡した後に**お返し(内祝い)**をいただくケースもありますが、基本的に長寿祝いへのお返しは不要とされています。もし相手が気にして何かお返しを…と言ってくれた場合でも、「お気持ちだけで十分です」と丁重に辞退しましょう。子どもから親へのお祝いであれば尚更、お返しなどは気になさらないよう伝えてあげるのが親切です。相手に余計な気遣いをさせないことも、マナーの一部と心得ておきましょう。

お祝い金の代わりにおすすめの贈り物

卒寿のお祝いは必ずしも現金でなければならないわけではありません。むしろ記念に残る品物や体験をプレゼントすることで、一生の思い出に残るお祝いにすることもできます。「現金だと味気ないかな」「形に残る物を贈りたい」と感じる場合は、以下のような贈り物を検討してみてはいかがでしょうか。ここではお祝い金の代わりに喜ばれるプレゼントを、種類別・予算別にご紹介します。

形に残る記念品

形に残る記念品は、卒寿という特別な節目を象徴する贈り物です。いつまでも手元に残り、見るたびに90歳のお祝いの日を思い出せるような品が理想です。定番の一つは名入れギフトです。例えば名前や「祝 卒寿」などの文字を刻印した 記念の盾や置物、高級な 名入れ湯呑み・マグカップ、お酒がお好きなら名前入りの 記念ボトル なども人気です。こうしたオーダーメイド品は世界に一つだけの贈り物になるため、特別感があります。

また、写真や似顔絵を用いた記念品も喜ばれます。家族写真を飾ったフォトフレームやフォトアルバムはもちろん、プロのイラストレーターによるオリジナルの似顔絵もユニークで記念になります。インターネット注文で写真からそっくりの似顔絵を描いてもらえるサービスがあり、額装して渡せば世界に一枚だけの宝物になるでしょう。最近では孫が描いたイラストをプリントした オリジナルデザインのマグカップ なども制作できます。幼い孫からの手描きプレゼントは心が温まるものです。

その他、高級ジュエリーや腕時計なども形に残る贈り物の代表格です。例えば品位のある真珠のネックレスや、長年頑張ってきた人生をねぎらう意味で輝きの美しい宝石を贈るのも素敵です。男性であれば記念刻印を施した腕時計や万年筆なども候補に挙がります。ジュエリーは「これまでの人生の輝かしさを表すもの」として長寿祝いにふさわしいとの声もあります。

いずれにせよ、形に残る品を選ぶ際は**「記念」「特別」「世界に一つ」**といったキーワードを意識すると良いでしょう。贈る側からメッセージを添えたり日付や名前を刻んだりすることで、オンリーワンの宝物になります。

実用的なプレゼント

実用的なプレゼントは、日々の生活に役立つものを贈ることで相手の快適さや健康をサポートする贈り物です。90歳ともなると身体の不調や生活の不便も出てくるころですので、そうした日常を少しでも楽に、楽しくしてくれる品を選ぶと喜ばれます。

定番の一つは衣類や服飾雑貨です。肌触りの良い上質なパジャマや部屋着、着心地の良いセーターやカーディガンなどは重宝します。特にシルク素材のパジャマは滑らかな肌触りで快適に過ごせると人気です。卒寿のテーマカラーにちなみ、紫色やラベンダー色の衣類を選べば気持ちも若々しく明るくなってもらえるでしょう。また外出の機会がある方には、質の良い帽子やストール、手袋など季節に合ったファッション小物も実用的です。

健康グッズ介護サポート用品も検討してみましょう。例えば家庭用の マッサージ器 や足湯バケツ、軽量で握りやすい 、滑りにくい靴など、本人が「あると助かる」と感じるものです。最近はおしゃれなシニアグラス(老眼鏡)や集音器(簡易補聴器)など、高齢者の生活をサポートするガジェットも増えています。既に持っている場合もありますが、より性能の良い新製品に買い替えてあげるのも良いかもしれません。

他にも趣味に関連した用品は、本人の楽しみを応援する意味で喜ばれます。園芸が好きな方なら使いやすいガーデニングツール、書道が趣味なら高級な筆や硯、音楽好きなら昔の思い出の曲のCDセットや使いやすいラジオなどが考えられます。90歳という高齢になって新しいものを贈っても使いこなせないのでは…と心配になるかもしれませんが、普段から馴染みのある分野の道具であれば問題なく使ってもらえるでしょう。むしろ「自分の楽しみを理解してくれている」と感じて喜びが増すはずです。

日用品のグレードアップもシンプルながら喜ばれる方法です。例えば毎日使うお茶碗や湯呑みを名入りの良いものに新調する、電子レンジや炊飯器など古くなった調理家電を最新モデルに買い替える、電動歯ブラシや血圧計など健康管理アイテムをプレゼントするといったアイデアがあります。普段自分ではなかなか買い換えない物こそ、贈り物としてプレゼントされると「助かる」「ありがたい」と感じてもらえるでしょう。

実用的なプレゼントを選ぶ際のポイントは、相手の生活ぶりをよく観察することです。普段どんなことに不便を感じていそうか、どんな物を愛用しているかをリサーチして、「これならきっと使ってもらえる」という品を探しましょう。せっかく贈るなら押し入れに仕舞われる物より日々手に取ってもらえる物の方が、お互いに嬉しいものです。

体験型ギフト(旅行・食事会など)の魅力

形に残る物も素敵ですが、体験を贈るという発想も近年人気です。物は増やしたくない、記念日は思い出づくりをしたい、と考える方には旅行や食事会といった体験型ギフトがピッタリでしょう。

旅行は長寿祝いの王道プランです。温泉旅行や観光旅行など、本人が行きたがっていた場所へ家族で連れて行ってあげると、一生の思い出になります。宿泊を伴う旅行が難しい場合でも、日帰りで行ける範囲の温泉や観光地にミニ旅行に出かけるだけでも気分転換になります。移動が大変であれば、近場の温泉旅館でゆっくり一泊旅行券をプレゼントし、後日落ち着いてから行ってもらう方法もあります。

食事会も手軽で喜ばれる体験ギフトです。高級レストランでのディナーや老舗料亭での会食など、普段なかなか行かないようなお店に招待しましょう。美味しい食事を家族とともに楽しむひとときは、何物にも代えがたい思い出になります。遠出は難しいという場合でも、近場の少し格式あるお店での食事であれば無理なく外出できます。本人の好物や行きたい店のリクエストを事前に聞いておくと良いでしょう。お店側にお願いして「卒寿お祝いプレート」や記念写真のサービスをしてもらえると、より特別感が増します。

他にも家族写真の撮影会をプレゼントするのも素敵です。プロのカメラマンに依頼して、家族みんなが集まった写真を撮影すれば、その写真自体が記念品にもなります。お孫さんも交えて晴れ着を着ての写真撮影は、一生残る宝物となるでしょう。

体験ギフトの良さは、何よりも「時間」をプレゼントできることです。90歳という年齢になると、物よりも家族と過ごす時間そのものが何にも代えがたい贈り物になります。本人が心から楽しめる時間を提供することで、「長生きして良かった」と感じてもらえるようなお祝いにしたいですね。

予算別に選ぶおすすめのプレゼント案

最後に、予算に応じたプレゼントのアイデアをいくつか挙げてみます。予算が限られていても心のこもった贈り物はできますし、余裕があれば少し豪華な品を選ぶこともできます。予算別のおすすめギフトを参考に、無理のない範囲で喜ばれるものを選びましょう。

予算5千円程度: ちょっとしたお菓子やお茶の詰め合わせ、ハンドクリームや石鹸などの消耗品、アロマディフューザーなどリラックスグッズ​がおすすめです。高品質なチョコレートやクッキーの詰め合わせは特別感があり、自分ではなかなか買わない贅沢品として喜ばれます。また、可愛いデザインのマグカップに孫からのメッセージカードを添えるだけでも心温まる贈り物になるでしょう。

予算1万円程度: 花束と実用品のセットはいかがでしょうか。華やかな花束に加え、上質なお茶や紅白まんじゅうなどをセットにするとお祝い感が高まります。他にも、名入れの湯呑み茶碗ペアお祝い記念の写真立てなども1万円前後で入手可能です。遠方の親戚から贈る場合は、有名店のスイーツや果物などのカタログギフトを1万円相当で贈る方法もあります。

予算3万円程度: このくらいの予算があれば、かなり選択肢が広がります。男性ならブランド物の革小物(財布やベルト)、女性なら品質の良いバッグやストールなど日常使いできるファッションアイテムが贈れます。また、記念になる置時計や掛け時計といったインテリアも人気です。もし外出好きな方であれば、この予算で高級レストランでの食事券を用意し、一緒にお出かけするのも良いでしょう。

予算5万円以上: 豪華な予算を組める場合は、特別な体験や高級品をプレゼントできます。例えばペア旅行券を用意して夫婦水入らずの旅行をプレゼントしたり​、全自動のマッサージチェアを贈って自宅でくつろいでもらったりという案もあります。他にも、長寿を記念して真珠や宝石のアクセサリーを奮発する方もいます。「これまで本当にお疲れ様」とねぎらう気持ちを込め、普段なら手が届かないような贅沢品を贈るのも卒寿祝いならではと言えるでしょう。

以上のように、卒寿のお祝いには様々なアプローチとアイデアがあります。大切なのは、贈る側の自己満足ではなく「相手が心から喜んでくれるかどうか」です。親御さんの好みや体調、当日のシチュエーションなどをよく考え、最適なお祝い方法を選んでください。現金を包むにせよ、プレゼントを贈るにせよ、真心が伝わればきっと素晴らしい卒寿のお祝いになることでしょう。

最後になりますが、卒寿を迎えるお父様・お母様への思いを込めて、お祝いの言葉もしっかり伝えてください。「これからも元気で長生きしてね」という願いとともに、ご家族にとって思い出深い一日となることをお祈りしています。