- 板羽 貴代
- お祝いギフト工房 店長
名前入りプレゼント専門店「お祝いギフト工房」の店長です。 2002年からギフトの世界に携わっています。 これまで9万人以上の方のお祝いのお手伝いをさせていただきました。 喜ばれるお祝いに関してはどうぞお任せください。 悩まれたらお気軽にご相談ください！ 050-3566-4118 LINEで問い合わせ
卒寿（そつじゅ）とは、長寿をお祝いする日本の伝統行事の一つで、満年齢で90歳を迎える方のことを指します。人生の大きな節目である90歳の誕生日を家族みんなでお祝いし、日頃の感謝や長寿を祝福する大切な機会です。この記事では、卒寿の意味や由来、伝統的なお祝い方法と現代の祝い方の違い、家族でできるお祝いアイデア、プレゼントの選び方やおすすめ、そして卒寿にまつわる文化・風習について、カジュアルなトーンで分かりやすくまとめました。ぜひご家族で卒寿をお祝いする際の参考にしてください。
卒寿とは何歳のこと？
卒寿は90歳のお祝いを指します。還暦（60歳）や米寿（88歳）などと同じく、「賀寿（がじゅ）」と呼ばれる長寿祝いの一つです。もともとは数え年（生まれた時を1歳とし正月ごとに加算する年齢）で90歳になった年に祝う習わしでしたが、現代では満年齢の90歳の誕生日にお祝いするのが一般的です。つまり、伝統的には89歳の年にお祝いする地域もありましたが、最近は実際に90歳を迎えたタイミングでお祝いしても問題ありません。どちらで祝うにせよ、ご本人やご家族の都合に合わせて柔軟に日程を決めて大丈夫です。
卒寿の意味と名前の由来
「卒寿」という名前にはユニークな由来があります。「卒」の略字である「卆」（そつ）の字を上下に分けると「九」と「十」になり、これを組み合わせると90という数字に見えることから、90歳のお祝いを「卒寿」と呼ぶようになりました。いわば漢字の形にちなんだ遊び心のある命名なのです。ちなみに、90歳のお祝いは**「鳩寿」**（きゅうじゅ）と呼ばれることもあります。こちらは漢字の「鳩」に「九」という字が含まれ、読み方も「きゅう（九）」と読めることに由来しています。
一方で、「卒」という漢字には「卒業」や「終了」といった意味合いもあるため、「人生を卒業してしまうようで縁起が悪い」と感じる方もいるようです。特に長寿を迎えるご本人がこの言葉を気にされる場合もあります。しかし、そのような不安を必要以上に気にする必要はありません。卒寿はあくまで長寿を喜び祝うためのものであり、「人生の一区切り」ではなく「新たな門出をお祝いする」という前向きな気持ちでお祝いしましょう。88歳の米寿が盛大に祝われる文化もあり、卒寿は米寿からわずか2年後の節目なので地域によっては簡素に済ませる場合もありますが、現代では90歳まで元気に過ごされたこと自体が素晴らしいことです。せっかくの機会ですから、ぜひご家族で心を込めてお祝いしてあげてください。
伝統的なお祝い方法と現代の祝い方の違い
日本では古くから長寿のお祝いにテーマカラーのちゃんちゃんこ（袖なし羽織）や帽子、座布団を用意し、主役に身につけてもらう風習があります。卒寿の場合、伝統的に象徴の色は紫色（深い紫）とされ、古来より高貴な色として大切にされてきました。白色を用いる地域や考え方もあり、紫と並んで白色を卒寿のテーマカラーとして扱うこともできます。そのため、昔ながらのお祝いでは紫や白のちゃんちゃんこを着てもらい、同色の帽子や座布団をセットで揃えるという演出が定番でした。
しかし、現代の卒寿祝いは形式にとらわれず柔軟になってきています。ちゃんちゃんこや帽子は普段着慣れないものですし、ご本人に負担に感じさせてしまう場合もあります。
無理に伝統の衣装にこだわる必要はありません。たとえば帽子だけにしたり、代わりに普段使いできるちゃんちゃんこ風のベストやブランケットを贈るなど、ご本人の好みや体調に合わせてアレンジしましょう。
また、祝い方のタイミングも現代風に変化しています。昔は数え年で行うのが一般的でしたが、現在は満年齢でお誕生日当日に祝うことが多くなっています。ただし必ずしも当日でなくても構いません。家族が集まりやすい日程に調整するケースも増えています。例えば、「敬老の日」やお正月、お盆など親族が集まれる日に改めて卒寿祝いの食事会を開いたり、実際の誕生日は同居している家族だけでお祝いして、後日みんなで集まるという方法もよくとられています。このように、伝統と現代の良いとこ取りをしながら、その家族らしいスタイルでお祝いできるのが今の卒寿祝いの特徴と言えるでしょう。
家族でできる卒寿のお祝いアイデア
それでは、家族で卒寿をお祝いする際にどんなことができるでしょうか。ここでは、ご本人に喜んでもらえる具体的なアイデアをいくつかご紹介します。
自宅でゆったり食事会：90歳ともなると遠出や長時間の外出は体に負担がかかります。ご自宅や馴染みの場所で、家族だけのお祝い食事会を開くのがおすすめです。もし外食する場合でも、移動が少なくて済むよう個室のある近場のレストランを選び、送迎の手配をするなど配慮しましょう。美味しい料理を囲みながらゆっくり過ごす時間は、ご本人にとって何よりのプレゼントになります。
思い出アルバムやスライドショー：これまでの90年の歩みを振り返る演出も喜ばれます。若い頃の写真や家族との思い出の写真を集めたアルバムを用意したり、スキャンした写真でスライドショーや動画を作って上映するのも感動的です。昔話に花が咲き、自然と笑顔になれるでしょう。お祝いの席ではぜひ記念写真も撮ってください。撮った写真は後日プリントして、素敵なフォトフレームに入れてプレゼントすれば良い思い出としてお部屋に飾ってもらえます。
テーマカラーで飾り付け：卒寿の象徴色である紫（または白）を取り入れてお祝いの雰囲気を盛り上げましょう。例えば、紫色の花束やアレンジメントをテーブルに飾ったり、紫のテーブルクロスや風船でデコレーションするのも素敵です。紫の花（リンドウやカーネーション、胡蝶蘭など）を中心にしたブーケは見た目にも華やかになります。ただし生花の世話が大変な場合は、プリザーブドフラワーにするとお手入れ不要で長く楽しめます。
遠方の家族とオンライン祝い：最近ではビデオ通話などを活用して遠くに住む家族もオンラインでお祝いに参加できます。画面越しでも「おばあちゃん卒寿おめでとう！」と顔を見せて声をかけてもらえれば、ご本人もきっと喜ばれるでしょう。事前に孫やひ孫たちからお祝いメッセージ動画を集めて上映するのもサプライズになります。離れていても心のこもった演出で温かい気持ちになれます。
健康状態に合わせたお出かけ：比較的お元気で外出が可能な場合は、思い出の地を訪ねるプチ旅行やお気に入りのレストランでの食事、劇場での観劇など特別な体験をプレゼントするのも良いでしょう。無理のない範囲で日帰り旅行に出かけたり、温泉でゆっくり過ごす計画も検討できます。普段とは違うお出かけは気分転換にもなり、一生の思い出に残る卒寿祝いになります。
プレゼントの選び方とおすすめギフト
卒寿のお祝いに欠かせないのがプレゼントです。プレゼント選びのポイントは、ご本人の健康状態や趣味嗜好に合ったものを選ぶこと。そして何より気持ちが伝わることが大切です。以下に、卒寿祝いに喜ばれる贈り物と選び方のコツをまとめました。
体調・生活に合わせて選ぶ: 卒寿を迎える方の健康状態は人それぞれです。まずは現在の食事内容や生活スタイルを確認しましょう。例えば「固いものは食べられるかな？」「お花の水替えなどの世話は負担にならないかな？」「普段どの程度外出しているかな？」といった点です。それらを踏まえて、ご本人が無理なく楽しめるものを選ぶようにします。もし好みがわからず迷う場合は、カタログギフトを贈ってお好きな品を選んでもらうのも一案です。カタログを選ぶ楽しみ自体をご本人やご家族に味わってもらえるので、「選ぶワクワク」と「届いた品を使う嬉しさ」で二度楽しめるギフトになります。
思い出に残る心温まる品: 心がこもった贈り物は何よりの感動を与えます。定番ですが写真アルバムやフォトブックは、ご家族との思い出を振り返ることができる温かなプレゼントです。たとえば家族全員で撮った写真を集めたオリジナルアルバムや、孫からのメッセージカードを添えると特別感が増します。最近はデジタルフォトフレームに写真データを入れて渡す方法もあり、スライドショーでたくさんの写真を手軽に楽しんでもらえます。
暮らしに役立つ実用的なもの: 毎日使える品物も喜ばれます。ご本人の生活に寄り添った実用的なアイテムを選ぶと良いでしょう。例えば、冬に部屋で重宝するひざ掛けやルームシューズ、肌触りの良い上質なパジャマ、操作が簡単な家電製品（マッサージ器や電気毛布など）、健康維持に役立つ血圧計や万歩計といった健康グッズも選択肢です。実用的でありながら「体を大事に思っているよ」という気持ちが伝わる贈り物になるでしょう。
名入れやオリジナルの記念品: 世界に一つだけの特別なプレゼントも卒寿にはふさわしいです。例えば、お名前や「祝 卒寿」などのメッセージを彫刻・刺繍した記念品（置物や酒器、お箸、フォトフレーム、クッションなど）は、長寿のお祝いの記念として残ります。日付や家族全員の名前を入れた寄せ書き色紙や、オリジナル詩を贈るのもユニークです。名入れの品はオンリーワンの贈り物として特別な感動を与えてくれるでしょう。
ユニークな思い出ギフト: 卒寿ならではのユニークなギフトとして、「お誕生日新聞」があります。これはご本人が生まれた日（もしくは結婚した日など記念日）の新聞を印刷してプレゼントするサービスで、当時のニュースや出来事を見ながら懐かしい思い出話に花を咲かせることができます。昔の世相を振り返ることで「こんなこともあったね」と家族の会話が自然と広がり、世代を超えて盛り上がれるため、近年とても人気の贈り物です。その時代を共に生き抜いてきた卒寿の方には感慨深いひとときを届けてくれるでしょう。
花束・フラワーギフト: お祝いの席を彩る花束も定番のプレゼントです。卒寿のテーマカラーに合わせて紫や白を基調とした花束を贈るのも良いアイデアです。リンドウやトルコ桔梗、胡蝶蘭など品のある紫色の花に、白い小花を添えたアレンジメントは上品で喜ばれます。ただし先述のように生花の管理が負担になる場合は、水やり不要で長持ちするプリザーブドフラワーやブリザードフラワーも検討しましょう。美しい花は見るだけで心が華やぎますので、贈り物としてもおすすめです。
卒寿にまつわる文化や風習
卒寿のお祝いは日本独自の長寿を祝う文化の一環で、非常に長い歴史があります。長寿祝いの習慣自体はもともと中国の文化に由来し、年を重ねることを尊ぶ儒教の思想から唐・宋の時代に長寿の人へ詩を贈る風習が生まれました。この風習が平安時代頃に日本に伝わり、独自に発展して定着したのが賀寿の始まりとされています。つまり、千年以上の歴史を持つ伝統行事なのです。
日本では還暦（60歳）をはじめ、古希（70歳）・喜寿（77歳）・傘寿（80歳）・米寿（88歳）・卒寿（90歳）・白寿（99歳）・百寿（100歳）…と、長寿の節目ごとに名前を付けてお祝いする風習があります。それぞれの賀寿には由来となる漢字や故事があり、例えば還暦は干支が一巡することから、古希は中国の詩の「人生七十古来稀なり」に由来するなど様々です。卒寿も先述のとおり「卒」の字に由来する日本発祥の習わしで、こうした言葉遊び的な命名は日本ならではの文化と言えるでしょう。
また、各長寿祝いにはそれぞれテーマカラー（祝い着の色）が伝統的にあります。例えば還暦は赤、古希と喜寿は紫、米寿は金茶（黄色）といった具合です。卒寿の色は一般的に紫色とされ、白色が使われることもあります。これらの色には「長寿のお祝いですよ」ということが一目で分かるシンボルの役割があります。実際、卒寿祝いでは紫や白のちゃんちゃんこを着る風習が昔からありましたし、贈り物にもテーマカラーを取り入れるケースが多いです。例えば紫色の座布団やちゃんちゃんこセットは卒寿祝い用に販売されている定番アイテムです。
近年では必ずしも決まったやり方にとらわれず、ご本人の気持ちを第一に考えたお祝いが重視されます。場合によっては「自分の長寿祝いは大げさにしなくていいよ」と遠慮されるお年寄りもいらっしゃいます。そのようなときは無理に会を開かずとも、家族が集まって食事をするだけでも十分ですし、「これからも元気でいてね」という気持ちを伝えることが何よりのプレゼントになります。
なお、90歳まで生きることの価値についても触れておきましょう。医学の進歩した現代でも、90歳以上の方は日本の総人口のわずか1.5%ほどしかおらず（平成27年時点）、とても貴重な存在です。平均寿命自体は延びていますが、それでも90歳のお祝いができるのは特別なことですよね。だからこそ、長寿を迎えられたおじいちゃん・おばあちゃんには敬意と感謝を込めて盛大にお祝いしてあげたいものです。
まとめ
卒寿は、ご本人にとっても家族にとっても大変めでたい人生の節目。伝統的な風習を踏まえつつも、今の時代に合った形で無理なく楽しくお祝いすることが大切です。90年という長い年月を共に過ごしてくれたおじいちゃん、おばあちゃんに感謝し、これからの健康と幸せを願って、笑顔あふれる卒寿のお祝いにしてくださいね。家族みんなでお祝いすれば、きっと心に残る温かな一日になることでしょう。お誕生日おめでとうございます！🎉
